過去記事  2016-04-27

安泰な企業など存在しない

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The Flagイシュー「株価から見る。スタートダッシュを決めた企業/最低購入金額/株主優待」(http://theflag.jp/blog/83
株式の投資はあまり興味がありませんので初心者なのですが、株価の変動を見ていますと、短期的な動きがかなり重視される傾向にあるようですね。一番の上昇率を誇るライトオン。こちらの近々の業績を見てみますと営業利益率が4%前後。悪くない数字ですが、格段に高いという訳でもない。業績が回復はしていますが過去最高という事でもなく、以前の水準に戻りつつあるという見方が適切でしょう。
Kabutan ライトオン
回復基調にある理由は、やや古い記事になりますがこちらのブログが詳しいかと。。
好転したライトオンの業績 次の課題は新業態育成
QR(クイックレスポンス)と在庫の投げ売りセールからの脱却。そこからの商品力の強化といったところでしょうか。商品開発が今後の業績の肝になりそうですね。
では個人的にこの中で今後、危惧している企業を二社ピックアップします。
UNITED TOKYOの高い原価率が裏目に出る可能性あり?
原価率50%。本当の意味でコスパが良い「UNITED TOKYO」の魅力に迫る
ストゥディオスの自社ブランド「UNITED TOKYO」の原価率は50%との事。原価率を高く設定しているブランドは他社でも例がありますが、目指すところはコスパを上げて消化率を伸ばすという事。そして多店舗展開してできる限り製造原価を下げていくのでしょう。ですので、まずは消化率が高いというところが大前提なのですが、、
僕がお取引のあるブランドが出店している商業施設では売上が貼りだされるのですが、UNITED TOKYOの売上が苦戦しているとの事です。全ての店舗がそうだとは言い切れませんが、大阪に出店している2店舗共に厳しいと。ここで消化率、売上が上がらなければ今年度出店した費用の回収もままなりませんし、そうなると他店舗展開に歯止めがかかります。
セレクトショップの買い付けブランドは仕入れの掛け率が高いですし(大体50%〜60%程度でしょう)、ストゥディオスオリジナルも原価率が高いので全てが高コストです。売上高と消化率で今まで高い営業利益率を誇っていましたが、こうなってきてはストゥディオスで稼いだ利益をUNITED TOKYOが吸ってしまう可能性がある。しかし拡大路線を取るのであれば自社ブランドの比重を上げなければなりません。ここでつまづいてしまっては今後の展望が全て頓挫する可能性があるのです。まずは足元のUNITED TOKYOの消化率を上げる事が課題です。
いつハシゴを外されるかわからないライセンス商法の三陽商会
バーバリーのライセンスが無くなり誰もが予測していた事ではありますが赤字に転落。では今後の戦略を見ていきますと、その後継ブランドとしてマッキントッシュロンドンとクレスとブリッジという二ブランドがあります。しかしここで疑問なのはマッキントッシュロンドンの価格帯と出店店舗数です。
バーバリーに代わる柱へ 三陽商会の新ブランド「マッキントッシュロンドン」公開
売りであるアウターが12万~16万円。そして260店舗を出店。いくら何でもこの価格帯で260店舗は出しすぎだと考えます。一般的には価格が安いブランドほど市場規模は拡大しやすい。例えばこの表にも記載されていますアダストリアSC業態のグローバルワークで187店舗。確かにバーバリーの出店店舗数が多かったとは言え市場規模を考えない無茶な戦略ではないでしょうか。これなら元々持っていた中価格帯の「マッキントッシュフィロソフィー」を拡大する方が良かったように思います。
そして肝心のそのライセンス商法ですが過去の例を見てみますと、
日本のアパレルを捨て、直営化する欧米ブランド

日本のアパレルとライセンス契約を解消し、自前での運営に走る欧米ブランドは後を絶たない。最たる例は1998年にデサントとのライセンス契約を打ち切った「アディダス」だ。当時のデサントは売り上げの4割強、営業利益の半分近くをアディダス商品が占めていいたが、28年続いた契約が突然解消され、01年からの3期連続営業赤字の引き金となった。また「アニエスベー」は93年から続いたサザビーリーグとの契約を05年に中途解消。「ラルフローレン」もオンワード樫山との契約を07年に終了した。その後、両ブランドとも自ら日本で事業を始めている。「せっかくわれわれがブランドを成長させても、ビッグビジネスになるとブランド本体が乗り込んできて販売権を奪われてしまう」と中堅アパレル幹部は嘆く。

とあるように、いつハシゴを外されるかわからない状況です。このライセンス商法の始まりは恐らくディオールでしょう。ディオールにしても日本ではカネボウとのライセンス契約がありましたがそれも辞めています。ルイヴィトンもライセンスを禁止していますし、ラグジュアリーブランドは共通してライセンスを辞めていく流れなのだと思われます。そしてここでマッキントッシュ本体の戦略を見てみますと…、
マッキントッシュ、高級化路線強化へ
マッキントッシュ本体もラグジュアリー路線だと…。こうなるとイメージの違うライセンスブランドはいつ契約を切られるかわかりません。バーバリーで痛い目にあっているのにまたしてもライセンスに頼るのもちょっと理解し難いです。三陽商会は物作りに長けた企業と定評があるのですから、ライセンスに頼らない自社ブランドの開発が必要なのではないでしょうか。
どの企業がいつどうなるかわからない
アパレルに限った事ではないですが、数年前まで調子の良かった企業が凋落している…なんて事はよく見受けられます。僕が学生時代はワールドが隆盛を誇っていた時代でしたが今や見る影もありません。今回二社を例に予測を書いてみましたが結局蓋をあけてみたらどうなるかなんて誰にもわからないのです。株価のように短期的な視点ではなく、その企業を中長期的に見定めれる目利きを養いたいものですね。

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深地 雅也
WRITER

株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。 繊研新聞にてEC関連記事連載中。→ https://senken.co.jp/posts/fukaji01

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