過去記事  2017-02-06

移動式店舗ってwebと相性抜群

ファッションECの実店舗展開が加速中? 移動試着店舗「True&co.」に注目

ECサイトを実店舗化するトレンドの中でひときわ異彩を放って見えるのが、主に女性向けのアンダーウエアを取り扱う米「True&co.(トゥルー・アンド・コー)」の試みです。いわゆる実店舗とは一線を画したビジネスを展開しています。ボディへのフィット感がより重要視されるアンダーウエアは、購入する前に試着したいと考える女性がほとんど。そうした女性たちのために導入されたのが、アメリカ全土を旅する「Try-On Truck(試着トラック)」(2016年)です。 ガラスと木材、鉄によってつくられた7メートル強のこのいわゆる”ノマドな”小売形態は、およそ1年をかけて国内を周遊する予定。空調の効いた4つの試着室とシートを備え、創設者の「お家に帰ってきたような暖かい環境作りがしたい」という意思を反映した極めて快適なものとなっています。

オムニチャネルが重要視されて数年経ち、ファッション業界でも様々な事例が出てきております。上記はその中の一つ、「移動式店舗」。これってECやソーシャルメディアなど、webと非常に相性が良くて今の時代に合ってると思うのです。理由は以下の通り。

◯リアルタイム性

移動式店舗ですから、現在どこに出店しているかがわからない訳です。webサイト上に予定を記載しておけばいいのでしょうけど、(実際のwebサイトはそうなっています。)リアルタイムでソーシャル上で告知すれば来店したい側からすればとっても便利。普段ソーシャルを頻繁に利用している人は、このショップのアカウントを常に見ておけばいいのです。このリアルタイム性がソーシャルと相性抜群。

◯ロケーションが無限

毎回出現する場所が変わるという事は、出店ロケーションが日々変化するという事。このロケーションをソーシャル上で画像投稿するだけで日々投稿するネタになりますし、いくらでもフォトジェニックになるよう操作できます。綺麗な景観をあらかじめ抑えておき、そこを出店場所に選んでおけばOK。来店者にとっても現場から投稿するネタになり、ソーシャルで更に拡散される可能性が高い。

◯「商品を知ってもらえる場所」が無限

ECやっていればわかるんですが、有名ブランドや超格安ブランドでも無い限り消費者は見た事無い商品なんて買いません。だからEC発のブランドは定期的にポップアップショップを開催したりするのです。文中にも記載があるように↓

一度試着すればおよそのサイズ感が分かるため、その後はECを経由して実に3割以上のリピート率を維持しているとのこと。つまりオフラインのショールームがオンラインの玄関口として機能しているということになります。

との事です。そして移動店舗ならこの「消費者に知ってもらえる場所」を無限に作る事ができる。直営展開しているショップ、卸先のセレクトショップ、商業施設内でのポップアップショップ以外でも自由に出店場所を作れる事が今の時代には有利になるのです。

EC比率向上の弊害か、アメリカではamazonの拡大と反比例するように小売チェーンがどんどん閉鎖に追い込まれています。今や店舗が少ない事や店頭に商品が無い事が「機会損失」にならない時代です。在庫が無くてもECに送客すれば消費者は欲しい物を購入する事ができるからです。この「移動式店舗」も実店舗で大きな売上をあげる事が目的ではなく、ブランドの認知度向上を狙ったものでしょう。実店舗とECの新しい役割分担をTrue&co.は実現したように思います。

ファッション業界ではオムニチャネルで本当に成功しているブランドはあるのか?という議論によくなりますが、このTrue&co.のような、「ECメイン」でそして「リアルの使い方をどうするか」をこれからのブランドは考える必要がありますね。

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深地 雅也
WRITER

株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。 繊研新聞にてEC関連記事連載中。→ https://senken.co.jp/posts/fukaji01

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