ファッション全般  2016-03-07

ファッション業界にも押し寄せるシェアリングエコノミーの潮流

The Flagイシュー「収益構造の改革」

「自動車産業をモデルしたライフタイムバリューの考え方」ということだ。
自動車は購入すると、もれなく点検がついてくる。
故障すると、修理も行う。いらなくなれば下取りも行う。
自動車は売って終わりではなく、その後も面倒をみる。
いわば、自動車産業は、自動車の一生を売っている。
洋服に置き換えると、
スーツと一緒に、クリーニングサービスを提供する。
新品を売った後に、中古品を買い取り、再販を行うといったところだろう。

ライフタイムバリュー(以下LTV)を自動車産業をお手本に衣料品にも応用しようという考え方。特に注目のサービスは「メチャカリ」。シェアリングエコノミーの台頭によりファッション業界にもレンタルサービスが乱立してきていますが、SPAのストライプインターナショナルが仕掛けてきた事が大きな波紋を呼びました。ですのでやや本題とはずれますが衣料品の「シェアリングエコノミー」について注目したいと思います。

 

原価率が低いほど「レンタル」にかかるコストの回収は容易

自動車を所有する人は家を所有する人より多いと言われていますが、所有する人の数で言えば「服」も確かに同じくらい多いでしょう。ここ最近では「所有からアクセス」という一つの潮流がありますので、「服」のレンタルサービスが出てくるのも自然な流れなのかもしれません。ストライプインターナショナルの商品はセール状況などを見ていますと原価率は相当低いと推測されます。なので、レンタルサービスを展開しても収益をあげやすい企業の一つだと言えます。

 

 

若年層の「転売」という行動はレンタルに置き換え可能

職業柄、若い学生さんの購買行動をよく目にしますが、高額品を買ってすぐ転売するケースが非常に多い。ここにレンタルサービスの需要があるんではないでしょうか。この行動は高額品を借りて返却する事に置き換える事が可能です。

 

定価-転売価格=レンタル価格

 

であれば成り立ちます。ですので特に高額品なんかはシェアリングエコノミーと非常に相性が良いのではないかと思っております。

 

 

流行のC to Cはシェアリングエコノミーの競合?

そして学生が転売する為に使うサービスは主に「メルカリ」のようなCtoCアプリ。ですので、CtoCとシェアリングエコノミーは一部では競合するのかなと。まだファッションにおけるシェアリングエコノミーはそれほど拡大はしていませんが、今後この手のサービスが増えるに従って、メルカリやヤフオクを使って転売する人の数が減る可能性があるのではと思ってしまいます。ここのシェアを奪えればシェアリングエコノミーは更に拡大しますし、これからアパレル企業が取り組むべき内容かもしれません。

 

 

サービスが乱立すれば普通のレンタルじゃ勝てない

そして日本でも海外でもレンタルの類似サービスはありますが、「メチャカリ」よりも拡大している印象があります。

 

Rent the Runway

Tie Society

Laxus

 

高級品は購買のハードルが高いのでレンタルされやすいですね。特にオケージョン特性の強いドレスやネクタイなどのアイテムは使用する頻度が低いのでレンタルが重宝するでしょう。

 

airCloset

 

airClosetなんかはスタイリストが商品を選定するという付加価値が付いていますし、この選定が抜群に受けが良く、レンタルよりも買い上げに繋がっているそうです。

 

お試しにレンタル→気に入ればお買い上げ

 

という構図が出来ており、それで売上を獲得しているケースも多々あるとの事。

後は、サイズがころころと変わってしまう子供服。こちらは既に多くの家庭で知り合いや親族を通じてシェアされていますし、古着のマーケットを含めシェアサービスが既にビジネスとして成り立っています。

 

それらのサービスに比べ後発とはいえまだ拡大が遅い「メチャカリ」。全て新品でレンタルし、戻ってきた商品は古着で売るという「メチャカリ」ですが付加価値が認められていないのか、まだ会員数が2000名程度。airClosetの会員数7万人に比べると少なく感じます。周辺から聞く情報によると50万人の会員数を目指しているようですが、初速だけを考えると今のところ非常に厳しい数字ですね。会員数が増えない要因としは、

 

・そもそもストライプの商品はレンタルしなくても低価格(タイムセールも非常に多い!)なので費用対効果が見えにくい。

・ストライプのメインターゲットである若年層の所有欲

 

などなどあるかとは思います。

 

 

ZOZOと組んで中古品の販路を広げた「メチャカリ」

ZOZOUSED×クロスカンパニー、洋服レンタルサービス「メチャカリ」で使用した商品を「ブランド公式古着」としてZOZOUSEDにて販売

 

スタートトゥデイと組んで、メチャカリで出てきた古着をZOZOUSEDで販売。これってストライプ側からすればZOZOという古着のマーケットプレイスで安定的に集客を得る事ができますし、スタートトゥデイ側からすれば恒常的に状態の良い商品を確保できる。中古サービスにおいて商品の確保って最も重要ですから、スタートトゥデイ側からしたらとってもありがたい連携ですね。

 

ストライプの「メチャカリ」がどうなるかはまだ未知数であり課題も多いですが、シェアリングエコノミーの流れは確実にやってくると推測します。その時に急な対応を迫られるか、すでに準備が整っているかではえらい違いですので、この選択は正しいと言えるのではないでしょうか。

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深地 雅也
WRITER

株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。 繊研新聞にてEC関連記事連載中。→ https://senken.co.jp/posts/fukaji01

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