
フルフィルメント 2019-01-13
ロコンドの「自社EC支援」はどこが優れているのか?
年末年始とZOZOの話題で持ちきりですが、密かに注目を浴びているのがロコンドの田中社長。
ZOZOTOWN新春セールが史上最速で取扱高100億円を先ほど突破!!日頃の感謝を込め、僕個人から100名様に100万円【総額1億円のお年玉】を現金でプレゼントします。応募方法は、僕をフォローいただいた上、このツイートをRTするだけ。受付は1/7まで。当選者には僕から直接DMします! #月に行くならお年玉 pic.twitter.com/cKQfPPbOI3
— Yusaku Maezawa (MZ) 前澤友作 (@yousuck2020) January 5, 2019
ロコンド新春「よロコンドる」セールが史上最速で取扱高●億円を突破!!
日頃の感謝を込め、僕個人から●名様に●万円を現金でプレゼントします。
応募方法は僕をフォローいただいた上、このツイートをRTするだけ。
受付は1/10まで。
当選者には僕から直接DMします。#靴を買うならロコンド— Yusuke Tanaka 田中裕輔 (@Yusuke_Tanaka) January 6, 2019
ご本人のツイートも、ZOZOの前澤さんを意識したものが多くZOZO大喜利みたいになっています。なんてTwitterらしい応酬なんだろうか…。(ちなみに田中さんからお年玉をもらった人のツイートは検索しても出てきません…。みんな自粛しているのだろうか。。)
国内ファッションECモールは色々ありますが今だにZOZOが一強状態。(昨年の通期決算で取り扱い高が2705億円)AmazonはAmazonファッションの売上を公表していませんが、数年前と比較するとかなりZOZOに近づいてきたんではないかと個人的には推測しています。
それ以外のファッションECモールですが、こちらが実は相当な差が開いいます。マガシークやショップリストでも流通総額は250億円程度。ZOZOの十分の一程度の規模なんです。で、そんな中ロコンドがぶち上げたのが下記。
ロコンドが“対ゾゾ同盟” 田中社長が「圧倒的な2位グループを作る」
圧倒的な2位グループを作ると言ってまずはマガシークと組んでいます。そんなロコンドですが、今年度は月次報告を見ても月間売上の市場最高額を頻繁に更新しています。ZOZO1強状態からどう抜け出すのか今後の展開が楽しみです。そんな中、ロコンドの第三Qの決算発表がありましたので早速見てみる事に。
○第三Qで既に昨年実績を超える
通期決算を前にして、売上・粗利で既に前年実績をクリアしています。営業利益はマイナスですが、これは通期決算時に広告費にめっちゃ投資するから今年度は赤字ですよーって前もって告知してたので計算通りでしょう。
販管費の内訳見ても広告費の高騰が明らかですね。あとは3PL事業拡大に伴う荷造り運搬費がやや上がっています。
※3PL…物流の受託です。
○実は自社ブランドがある
ロコンドが婦人靴の三鈴商事を買収
ロコンドは以前、三鈴商事という企業を買収しています。三鈴商事はシューズのメーカーなので、ロコンドは自社ブランドを持ってるのと同じですね。
ロコンドの取り扱いのほとんどがシューズであり、「靴のロコンド」として認知されているのでシューズでのPB展開は当然と言えば当然です。今後、ロコンドの名前を付けたブランド展開もあり得るかも?「Rename」事業がこれに当たるのかなーと推測していましたが、Renameは自社EC始めましたので今ではロコンドが卸先の一つのような見え方になっていますね。
FINE、ロコンドと共同事業「LOCONDO Rename」を開始!
で、今回特に注目すべきが下記の施策。
○to B施策である「BOEM2.0」
これからますます物流含めワンストップでシームレスでありながらERPではなくSaasのプラットフォーマーが台頭する時代になるはず。その軸に立つのがBOEM 2.0です。攻め続けます。
ロコンド EC支援サービスを拡大 | 繊研新聞 https://t.co/n8E2PJ52Pm
— Yusuke Tanaka 田中裕輔 (@Yusuke_Tanaka) January 15, 2019
ご本人もツイートしているBOEMという事業。
ロコンド2019年2月期は赤字見込み、アパレルブランド向けEC運営受託「ボエム」開始
決算書読む限りでは、まず大手フルフィルメント事業者が提案している「ささげ業務」や「物流」「広告運営」はもちろん、他社モールとの在庫連携も網羅しています。これ、外部サービスで導入している企業も多かったんではないでしょうか。
※ささげ業務…撮影・採寸・原稿
更には自前のCMSもあり、コンテンツ管理もこちらのサービス内で可能との事。
余談ですが、コンテンツ管理に関してはロコンド自体がめっちゃコンテンツ少ないんで良いCMSあっても宝の持ち腐れな気はしていますね。自分たちは活用せんのかい(笑)とツッコミが入りそう。
メルマガやカスタマーサポート、ポイント連携などのCRMソフトも完備。これらのCRMも外部サービスと連携しているところ多かったと思うので窓口が一つになるのは利便性高そうです。
更にはペイメントまで。。
その他、開発中サービスが二件ほどあり至れり尽くせりな感じですね。これ確かにto Bでここまでやってくれるところ無さそうです。気になるのはCMSの使いやすさですね。これ、どのASPがいいかって色々な人に聞くんですけどみんな消去法なんです。「ここがいい!」って聞いた事が無いので、ロコンドが最適解になるのかどうか気になるところです。
まとめますと結局やってる事って、
○本業のECモールで取り扱い高増やす!(TVCM)
○他社ECモールとの連携進める!(マガシーク)
○to B施策強化!(BOEM2.0))
○自社ブランド強化!(三鈴商事)
ってところなんでZOZOと方針はそれほど変わらないかなぁといった印象です。唯一違うのは連合ですね。最近ではアパレル企業同士が連合組んでモール作るなんていう動きも出てきていますので、このあたりの目的は似通っているんではないかと。2020年に300億円の計画なんで、今のままZOZOに追いつこうと思うと連合10社以上必要な気もしますが。。。

WRITER
深地 雅也
株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。 繊研新聞にてEC関連記事連載中。→ https://senken.co.jp/posts/fukaji01
FOLLOW
株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。 繊研新聞にてEC関連記事連載中。→ https://senken.co.jp/posts/fukaji01
COMMUNICATION
RECENT ENTRIES
-
GUCCIのここ三年くらいの業績を調査してみた
2019-02-22 ブランド・ビジネス
ケリングは18年度も絶好調 CEOはブランド買収に意欲 ケリング(KERING)の2018年12月期決算は、売上高が前期比26.3%増の136億6520万ユーロ(約1兆6944億円)、営業利益は同47 […]
-
SCブランドを管理していた経験から今のSCの状況を解説してみる
2019-02-17 店舗マネジメント
止まらないショッピングモールの空洞化、今年もチェーンの倒産ラッシュか 全米77都市のショッピングセンターをモニターしている不動産調査会社レイス社によると、2018年第4四半期(10月~12月期)のモー […]
-
「学生の質が悪いから」なんて言い訳するくらいなら教育するの辞めてください
2019-02-16 ファッション全般
デムナも言ってるんだから専門学校はもうちょいこういうこと教えたほうがいいよほんとに。 pic.twitter.com/GSxIG7poCW — 座波ケニア🇧🇷@ アパレル生産管理 (@ke […]
RECENT ENTRIES
-
GUCCIのここ三年くらいの業績を調査してみた
2019-02-22 ブランド・ビジネス
ケリングは18年度も絶好調 CEOはブランド買収に意欲 ケリング(KERING)の2018年12月期決算は、売上高が前期比26.3%増の136億6520万ユーロ(約1兆6944億円)、営業利益は同47 […]
-
マーチャンダイザーの仕事は大きく分けて2つある?
2019-02-21 ブランド・ビジネス
・あらためて”5適”をみてみると、気づくことはないか? 前回まで、マーチャンダイザーの仕事のを実行する上で、重要な顧客の欲求・要求に”適う”こと。”5適の話をさせて頂きました […]
-
今更聞けない「加水分解」って何?
2019-02-20 若者の目
「欲しかったスニーカーがやっと手に入った!」 先日、友人からこんな電話があった。 スニーカーが大好きな彼女はInstagramで見かけたNIKEのスニーカーに興味を持ち 半年程NIKEの […]
SPECIAL
JOURNALS
BY UP&COMING EDITOR
-
【在庫処分最前線】「服を生産しなくても在庫は発生する」 -供給量を抑えても解決しない問題がある(WEFABRIK)
2019-02-18 ブランド・ビジネス
-
【在庫処分最前線】「実用化できるリサイクル技術は存在しない」- 在庫処分屋がサステナビリティの最適解である理由(ショーイチ)
2019-02-04 ファッション全般
-
ボクサーブリーフ「エアーズ」の2019年販売計画は120万枚 -グンゼの廣地厚社長会見-
2019-01-01 ブランド・ビジネス
-
オンワード樫山がZOZOTOWNから離脱した理由とは(訂正)
2018-12-29 ブランド・ビジネス
CHIEF
EDITOR’S
BY CHIEF EDITOR
-
今更聞けない「加水分解」って何?
2019-02-20 若者の目
-
年齢・テイスト・価格で選ぶ「OL向け雑誌」の特徴と違い。
2019-02-19 ファッション全般
-
デニムが青い理由
2019-02-13 若者の目
-
服好きの彼が恋人に着てもらいたいブランド「ELIN」。
2019-02-12 ファッション全般
Leave a Comment
コメントを投稿するにはログインしてください。