ブランド・ビジネス  2019-01-07

Moncler(モンクレール)の4P戦略をまとめてみた!

モンクレール、2018年12月期 第2四半期 連結決算 各地域でプラス成長、増収・増益に

連結売上高は4億9,300万ユーロ(約635億9,700万円、1ユーロ=129円で換算)、21.1%増で2ケタの増収を達成した。売上高総利益率(粗利率)は76.0%(0.4ポイント増)と好転した。販管費率が低下したこともあり、営業利益(EBIT=税引前利払前利益)は8,500万ユーロ(約109億6,500万円、同)、35.5%増で2ケタの増益だった。

ダウンブランドのモンクレールの第二四半期決算が発表され、二桁成長と大幅な増収増益。僕が社会人になりたての10数年前からモンクレールは爆発的な人気があり、巷では「モンクレール狩り」という事件まで発生していました。当時、そこまでブームになっていた事もあり「数年で飽和するだろう」と見られていたブランドがまさか右肩あがりで10年以上成長するなんて事は誰も予測できなかったんではないでしょうか。イメージにしても今のようなラグジュアリーな見え方ではなく、アウトドアやスポーティーなイメージが強いブランドでした。直営店も無く、大体の方がセレクトショップの買い付け品を購入していたと思います。そんなモンクレールが、今の姿に変貌するまで一体何があったのか、わかる範囲でざっくり調査してみました。(わかりやすく4P戦略におとしています。)

 

○Product

まず製品についてですが、そもそもダウン専業メーカーだったモンクレールは、セレクトショップ中心に展開されていた時、ほとんどがダウンのみの展開でした。その他の商品も売ってるのは売っていたのですが全然目立ってなかったです。僕が担当していた得意先でもモンクレールを取り扱っているセレクトはたくさんありましたが「夏はポロシャツ以外売る物が無い…」と嘆いていたのをよく覚えています。

今ではオンラインショップを見てもくれくらいのアイテム展開にはなっています。ニットやスウェットなどの展開はわかりやすいですが、今ではアクセサリー類なんかもそこそこ揃っています。直営店展開増えるとフェイス埋めないといけないですし、毎月安定した売上が必要です。そうなると型数増やすのは当然の流れと言えます。

 

“羽の抜けないダウン”を実現した第一織物 – モンクレールやsacaiを魅了する日本素材

 

品質に関しては上記のような記事もあったり、ホワイトグースを使用だとか軽いしフィルパワーが高いだとか色々言われていますが、自分が使っていてあまり違いを感じないので割愛致します。(個人の感想です。)

 

○Price

Moncler秋冬メンズのダウン【モンクレール公式オンラインストア】

価格に関してですが、今ってモンクレールの価格は大体どれも15〜20万円はします。10数年前って10万円切るものもあったので、最近の価格の高騰にちょっと驚いています。きっかけになったのは下記でしょうか。

MONCLER Gamme Rougeに新ディレクター

モンクレール ガム・ブルー MONCLER GAMME BLEU とは

 

2006年にレディースの高級ラインであるモンクレールガムルージュ、2008年にはメンズラインでガムブルーが発表。デザイナーもジャンバティスタ・バリとトム・ブラウンを起用。このライン、めっちゃ価格高かったんですが最近になって廃止されました。

モンクレール ラグジュアリーラインを廃止 

 

上記の記事にも書かれていますが、

「この二人のデザイナーとの協業は、ブランド価値の上昇に大変貢献し、世界のラグジュアリー市場への道を開いた。今後は、さらなる高みを目指す新たな戦略に着手したい」

今やラグジュアリーブランドになったモンクレールからするとお役御免といったところでしょうか。

 

○Place

冒頭でも書きましたように当初は卸中心だったモンクレール。以前は八木通商という企業が卸をしていたので(今では本国51%、八木通商が49%出資でモンクレールジャパンという合弁会社になっています。)、マッキントッシュというコートのブランドとセットで置いているセレクトショップが多かったと記憶しています。(マッキントッシュも八木通商の取り扱いブランドです。)

※Wholesale=卸 Retail=小売

こちらの推移を見ても明らかですが、初期は卸中心ですが2010年を超えたあたりから直営の比率がどんどん高くなっています。卸って初期フェーズは低いリスクで流通量を増やせるので重宝するんですが、利益率向上・規模拡大・ブランディングには向いていません。モンクレールの今のラグジュアリー感って、直営店から発信されるイメージがかなり強い要素なんではないかと。今のような売上高やブランドイメージを担保する為には、この方向転換が望ましいでしょう。というか初期から計算していたのかも?

ショップ数も世界で200店舗を突破。日本国内では30店舗ですね。

 

○Promotion

ここに関してはかなり事例が多いので印象に残ったものを中心に抜粋致します。

・コラボレーション

モンクレールのコラボラインは複数ありますし、多くの方が知るところでしょう。ジュンヤワタナベやバレンシアガとのコラボもありましたが、

上記のようなデザイナーのイニシャルを付けたラインが一番有名かと思います。

モンクレール、「ビズビム」デザイナーによるメンズの新ライン「MONCLER V」発表へ

モンクレールに新コラボライン「R」、「V」は終了

モンクレール新コレクション「W」発表 ホワイトマウンテニアリングとコラボ

モンクレール「Y」公開 デザイナーはミハラヤスヒロ

モンクレールが新カプセルコレクション発表、メンズ「a」とウィメンズ「E」

モンクレール次のコラボ相手はオフホワイト 新カプセルコレクション「O」発表

モンクレールの新作コラボはクレイグ・グリーン、限定コレクション「C」を発売

 

サカイ、ビズビム、ホワイトマウンテニアリング、ミハラヤスヒロ、アミ、アーデム、オフホワイト、クレイググリーンと錚々たるデザイナーとコラボしています。

古着とダウンが合体、モンクレール×グレッグ・ローレン限定コレクションを発表

ヴァレンティノ×モンクレール「VLTN」ロゴ入りダウン発売

 

イニシャルが付かないものでも上記のようにいくつか事例があります。

で、直近で言うと下記が有名ですね。

「1つのメゾン、異なるボイス」モンクレール新プロジェクトは業界の起爆剤になり得るか

上記のモンクレールジーニアスというプロジェクトでも有名デザイナーとコラボしています。これだけ有名ブランドとコラボしていると流石に高感度なイメージもつきやすいのではないでしょうか。

 

・限定コレクション

限定コレクションにて、非常にラグジュアリー的な施策だと感じたのが下記。

モンクレールが銀座に誕生! 豪華なグランドオープニングパーティへ行こう!

上記は2015年の事例ですが、2日間のみの限定コレクションのために大掛かりな装飾を施すといったところがラグジュアリーらしさが出ています。

 

・広告キャンペーン

Moncler BeyondMoncler Beyond

モンクレール、新しい広告キャンペーンにミリー・ボビー・ブラウンらを起用。

モンクレール(MONCLER)がこのたび、新しい広告キャンペーンを発表。人種や国籍、年齢などが異なる、あらゆる人々が“BEYOND”という概念のもとに集まり、モノクロのイメージで登場した。

多様性の打ち出しもブランド戦略が考えられている印象を受けます。こういったところにお金をかけてくるのもラグジュアリー的ですね。

 

細かく見ていくとキリがないのでわかりやすい部分を抜粋してみました。それにしてもコラボ多い…。やはりブランド単体の力だけで伸ばそうと思うと限界があるのでしょう。そもそも売れる商品作らないといけないのは大前提として、そこからどのように拡大していくのか?自分たちの狙ったイメージに持っていくのか?という点では非常に参考になる事例ではないでしょうか。

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深地 雅也
WRITER

株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。 繊研新聞にてEC関連記事連載中。→ https://senken.co.jp/posts/fukaji01

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