ブランド・ビジネス  2019-01-21

食肉を廃止しない限り原皮は自動的に生産され続ける

最近、エコと動物愛護の観点からファー(毛皮)を廃止するブランドが増えました。

毛皮業者にはそれなりの言い分もありますが、廃止論者の意見もわからないではありません。これをさらに進めてレザーも廃止しようという声をときどき耳にします。

 

しかし、レザーの廃止にはちょっと疑問を感じます。

 

なぜなら、レザーを使うことを廃止したところで、レザーの原料になる原皮は毎日何万枚も生産され続けているのです。

 

理由は簡単です。食肉がなくならないからです。

 

原皮は、食肉用に屠殺された牛、豚、羊、馬などから毎日自動的に生産され続けているのです。

となると、レザーを使わなくなったところでなんの意味もなく、原皮は捨ててしまうしかないのです。もしくは何かの飼料にするか。

レザーを廃止したいのであれば、食肉そのものをやめるべきだということになります。

原皮の生産大国はインド、中国、ブラジル、アメリカなどです。インドは牛を食べる習慣はありませんが、飼育している頭数が多いためだそうです。

http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2016fy/000512.pdf#search=%27%E5%8E%9F%E7%9A%AE+%E7%94%9F%E7%94%A3%E5%9B%BD%27

平成27年のレポートですがどうぞ。

 

当方は自動的に生産される物であるなら、使えば良いのではないかと考えます。どうせ捨てるなら利用した方がもったいなくありません。

レザーにすごく愛着があるわけではありませんが、レザーを廃止してしまえとも思いません。またすごく肉を食べることが好きではありませんが、肉は絶対に食べないというほど嫌いでもありません。

だいたい焼き肉やステーキを貪り食ってる人間がレザーを廃止せよとは笑止千万です。(笑)

レザーにはレザーの独特の良さがあります。個人的にはレザーよりも防水機能の高い素材の方が好きだし、メンテナンスの楽な素材の方が好きですが、やっぱりレザーも時には使いたいと思います。

人間ははっきりいえば動物です。獣の一種です。

動物である以上、他の命を奪わずに生きることは不可能です。菜食主義という思想もありますが、植物も生きているのです。最近の研究では植物も痛みを感じるとか、植物も音が聞こえるなどの発表もあり、単なる無機物ではないことがわかり始めています。

何物の命も奪わないという思想はたしかに美しいですが、動物である人間がそれを守って生きていくことは不可能だと言わねばなりません。人間は神にはなれないのです。

厳密に突き詰めれば菜食だってどうなんだ?ということになります。

毛皮については別として、レザーはどうせ肉を食べるなら革も利用すれば良いのではないか。そんなふうに思います。行き過ぎた理想主義は生物としての己を見失っているのではないでしょうか。

SHARE

  • FacebookFacebook
  • TwitterTwitter
  • Google+Google+
  • LINELINE
南充浩
WRITER

1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間15万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシャルブログ

FOLLOW
  • Facebook
  • Twitter
FOLLOW
  • Facebook
  • Twitter

1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間15万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシャルブログ

COMMUNICATION

Leave a Comment

SPECIAL 
JOURNALS

BY UP&COMING EDITOR

MORE

CHIEF 
EDITOR’S

BY CHIEF EDITOR

MORE

ランキング