ブランド・ビジネス  2019-02-03

古着はECでの販売に向いていない?

ファッションの専門講師をしていますと、卒業生の就職先での相談などもよく受けたりします。で、古着屋さんに就職した卒業生からよく相談を受けるのがWeb系のお話。何故なら古着は製品特性上、オンラインでの販売に向いていないからです。

 

売上最大化=QR(クイックレスポンス)?

一つ目の理由がこちらです。EC担当者とお話させて頂く機会が多いんですが、皆さま揃ってECで売上を最大化させるとなると重要なのは「QR(クイックレスポンス)」だと言われます。つまり売れ筋商品をいかに素早く再入荷させて売上を最大化させるかです。オーダーの手法もAmazonで有名な「ロングテール戦略」で、

 

「売れない商品」の山で売上げをアップさせる!? Amazonも活用しているロングテール戦略とは何か?

 

ロングテール戦略とは、「少数の人気商品に頼るのではなく、その他大勢のニッチな売れない商品の販売量を積み重ねることで、全体の売上げを確保する」という理論です。

 

基本型数を多く取りながら、売れそうな物は縦に在庫を積むというやり方。しかし、これが古着となると全て1点物なので売上の最大化が図れないのです。

 

 

縦に在庫を積めないとコンテンツマーケティングも機能させにくい

webサイトの集客で、「コンテンツマーケティング」という考え方があります。サイト内コンテンツを拡充させ、ユーザーとコミュニケーションを取る事で製品の付加価値を向上させる。また記事数が増える事でSEO強化も見込めるというものですが、古着は1点物なので1点のみを売るためにコンテンツに手間暇をかけるのは費用対効果としてよくありません。

 

KOMERU

 

コメ兵さんもメディア運営をされていますが、同社の場合1点あたりが高額というのもあり、コンテンツマーケティングが成り立つものと思われます。では、普通の古着屋はどうしたらいいのか?って事なんですが、

 

A.Q.ANTIQULOTHES[アンティクローズ]

 

上記はセカンドストリートの自社ブランドである「アンティクローズ」。こんな感じで、対策としては「自社ブランドの展開」などの独自製品になるんでしょうね。

 

 

店舗の個性に合わせた独自製品の取り扱いにチャンスあり

小規模事業者でも個性の強いアイテム揃える事ができれば逆にチャンスになる可能性はあります。

 

 

上記は大阪の中崎町にある「リトマス」という古着屋さんです。こちらはお店の中に新品の商品もセレクトしていて、それがとっても個性的なんです。僕の周りの服飾専門学校の学生さんがこちらのチョーカーを付けてInstagramに投稿しているのをよく見かけますが、それが口コミを呼び、お店を知るという連鎖を生んでいます。現状はECでの販売強化というよりは、店頭への集客に寄与しているといった印象ですが、ECで販売しても十分売上を取る事は可能でしょう。

 

そして先日、ご紹介しました「JESUS SHOP」も古着の特性を上手く活用した事例と言えます。

アパレル経験ゼロでもラフォーレ原宿出店を実現させたブランドディレクターのショップ運営手法とは【後編】

理由としては1型あたりでロットを積まなくていいので在庫リスクが低い。個性を突きつめた買い付けをすれば、独自性が担保できるので付加価値が高まる。との事でした。とにかく幅広く取り扱うと世界観が薄まり、価格競争になってしまいます。ニッチだけど確実に需要があるというゾーンを狙うのが得策なようです。そして古着にとっては、傷やダメージは個性とも捉える事ができます。唯一無二の商品という見せ方ができているからこそ、ファンが集まり、ある程度の単価で販売する事もまた可能になっているのです。

 

個人であるからこその「在庫リスクの軽減」と「世界観の構築」がやりやすいというケースですね。

 

今のところの成功事例は、大手であれば「PBの展開」、小規模であれば「世界観の構築」「個性的な独自製品」といったところでしょうか。ECに向いてない古着でも、やり方一つで上手く活用できているケースはあります。それぞれのショップの特性を活かした展開方法が求められますね。

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深地 雅也
WRITER

株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。 繊研新聞にてEC関連記事連載中。→ https://senken.co.jp/posts/fukaji01

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