店舗マネジメント  2019-02-17

SCブランドを管理していた経験から今のSCの状況を解説してみる

止まらないショッピングモールの空洞化、今年もチェーンの倒産ラッシュか

全米77都市のショッピングセンターをモニターしている不動産調査会社レイス社によると、2018年第4四半期(10月~12月期)のモール空室率は9.0%となった。9.0%の空室率は2011年第4四半期以来、約7年ぶりの高さとなっている。前期の9.1%から0.1ポイント下降したものの、前年同期の8.3%からは0.7ポイントの上昇となっている。

 

上記はアメリカのショッピングモールの状況ですが、アメリカの状況って日本の3年後っていう人もいたりします。で、日本の状況はどうかと言いますと、

 

ショッピングモールで服が売れない深刻問題

 

こんな感じ…。既に売れていないのですが、以前SCブランドを管理していた身からすると「そらそうなるか…」という印象しかありません。原因としては「価格競争」と「商品の同質化」が挙げられており、これはSCだけの問題でもなくアパレル全体の課題なんではないかと思います。僕がSCに出入りしていた頃の問題点としては、下記が挙げられますかね。

 

 

○タイムセールの横行

今のECモールほどまではいきませんが、シーズン開始直後から連休となると常時20%OFF程度は当たり前。で、頃合いを見計らってタイムセールを連発。1店舗がやってしまうと、そこに集客持っていかれますから負けじと向かいの店もタイムセール始めたり。。商品の上代設定の際にセールを見越して原価率めっちゃ低めにしているブランドであるならある程度は耐えれるんでしょう。アースミュージック&エコロジーなんかはその急先鋒ですが、この記事中では赤字に転落?と記載があり、消化率が悪すぎて値引きをしすぎたのか?と推測します。価格競争の原因の1つはこのタイムセールにあるかと。

 

 

○ODMの商品ばかりが並ぶ

商品が同質化するから価格競争せざるをえないのですが、その原因がこちら。どのショップも似たような商品が並んでしまうのは仕入先が被っているからです。ほとんどの企業でもODMを使っているんでしょう、隣の店に行けば「タグが違うけど同じ商品」なんて事はざらにあります。価格設定はコントロールできるものもあるので、上代設定で価格競争するのかタイムセールで競争するのかは企業の選択次第ではありますが。SPAと名乗っていても、自社生産比率は決して高いとは言えないのです。せめてコーディネートや見せ方を工夫して、ブランドの世界観くらいは演出するべきかと思いますが、そういったブランドビジネスに精通した人材が社内にいないんでしょうかね。

 

 

○セールでは二重価格が普通?

 

偽装二重価格商法疑惑

かなり以前の記事にはなりますが、上記はプロフェッサーが書かれたものです。実はこういうのは普通に行われていて、セール時期になったらプロパー時期に販売していなかった商品が突然「上代10000円・セール価格5000円」みたいな感じで入荷されます。「店頭に並んだこともない商品の定価ってなんだ?」と思いながら見ていましたが、どの店でも似たようなことが行われているのです。こんな言ったもん勝ちのプロパー価格表示してるんですから、誰も定価の商品を買うっていう気分にはなりません。SCはセールありきの商圏なんでブランドイメージを考える必要はありませんが、利益が残るような価格設定は必要です。総じて足らないのはやはり「ブランドビジネス」でしょうか。他ブランドとの差別化や流通量のコントロールは近々の課題ではないかと。

 

 

こんな状況ですからSCで商品が売れないのもうなづけます。最近よく思うのは、イオンモールの数が多すぎる上に、出店ブランドのラインアップもほとんど一緒という点が気になってます。既にコモディティ化している商品ですし、ECも強化しているのに店頭もどんどん増えるのでは、どこかで頭打ちになってしまうのは自明の理です。SCブランドの不振の原因は、こういった需要予測の見誤りもあるのではないでしょうか。

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深地 雅也
WRITER

株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。 繊研新聞にてEC関連記事連載中。→ https://senken.co.jp/posts/fukaji01

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