店舗マネジメント  2018-08-27

現場のEC担当者に聞いた「Amazon」「ZOZOTOWN」「自社EC」それぞれの売り方

11月に繊研新聞さんの主催で佐藤マサさんと共同でイベントを行う事になりました!お題は、

 

「ECでたまりやすい在庫をいかにうまく消化するか?」

 

何でこんなお題なのかと言いますとECってその特性上、在庫が貯まりやすいんです。特にECモールに言える事ですが、商品の発注方法は基本「ロングテール」方式。つまりSKUを広くとって、売れ筋は縦に積んでいく。でも売れ筋は事前に読めないので、QR(クイックレスポンス)で売れ筋をタイムリーにどんどん補充できれば売上を最大化できる。というのが一般的にどの企業でも広く知られているところではないでしょうか。

 

このあたりについて議論すべく情報収集していたんですが、その時に印象に残ったのがお題にもなっている”ZOZOTOWNとAmazonのようなECモールと自社ECでの売り方の違い”です。当たり前ですがZOZOにもAmazonにも特性があり、それぞれ売り方が全然変わってくるのです。今回はその辺りをざっくりとまとめて記載しておきます。

 

 

○ECモール

まずECモールの特性ですが、先ほども少し触れてますがロングテール方式で各ブランドはとにかくSKU数を増やします。で、モールのアルゴリズムはSKU数が多いブランドの方が上位表示されるケースが多い。だからブランド側も余計にSKUを担保します。先述した通り売れ筋はめっちゃ偏るのでその後の商品フォローはめっちゃ重要になります。

 

・ZOZO

で、その中でもZOZOの売り方ですが、まずは皆様ご存知のクーポン発行。毎日のようにどこかのブランドがクーポンを発行していますが、これがないと大量に出品された商品の中で認知してもらうのが至難の技です。全部ブランド側の負担なのでZOZOからしたら、まいてもらうだけ売上アップも望めます。モールがお得と言われる所以はこんなところにあるのですね。おかげで近年、ZOZOの平均単価や出荷単価は右肩下がりです。

 

それ以外の特性で言いますと、カテゴリーなどで検索した際の「絞り込み」。これを使った際の一番目のページに来る商品のCVR(コンバージョンレート)が格段に高い。だからここにどう表示させるかが重要なんですが、多くのユーザーは「価格が低い順」で表示させると予測されます。で、あれば値段下げればその分販売機会が増えるので安いものが売れやすい。近年、ZOZOには楽天ショップなどに出店していた格安ブランドが進出しており、低価格化がどんどん進んでおります。しまむらが出店してもそんなに目立たないくらい、数百円の商品が常に掲載されるような事態が常態化しているのが現状です。それ以外で上位表示させる方法としては、ここ最近導入された「プロダクト広告」でしょうか。

 

※CVR(コンバージョンレート)

 

 

上記画像にもありますように、PRのタグのついた画像が表示されていますが、ブランドは広告費を支払って上位表示させる事が可能になっています。広告を嫌がるユーザーは確かに一部いますが、ユーザー数が増えれば増えるほど効果は発揮されやすいんではないかと思います。まだ導入されたばかりで何とも言えないでしょうけど、広告費はZOZO側に入りますからスタートトゥデイの利益率アップには寄与してそうですね。

 

まとめますと、

 

・クーポン発行
・SKU数を担保
・値下げ

 

がZOZOで売る為の主な施策になってきます。これはEC担当者泣かせのECモールですな。。ちなみに出店する為の料率は売上の35%程度と言われていますが、ブランドのパワーバランスによっては変動しているようですね。

 

 

・Amazon

Amazonも商品が大量に並んでいますので、クーポンやセールなどで拡販する手法は基本ZOZOと変わらないです。が、Amazonで一番注目すべきはレビューです。これ、何が重要かと言いますと、レビュワーの中には信用力が高く、そのレビュワーがいい評価をした商品が売れやすいという特性があるようです。これを利用してレビュワーにまず商品をお試ししてもらう。もちろん悪評されると逆効果なんですが、製品に自信がある場合はこれで売上を伸ばしていく事も可能になります。

 

 

○自社EC

自社ECはECモールとは特性が全く違います。売れ筋がめっちゃ偏るモールと違い、自社ECはブランドのファンが多いのでもう少しまんべんなく商品が売れます。ブランドのファンが多くを占める事から、コンテンツマーケティングが機能しやすい。つまり、ブランドに対してポジティブな印象を持っているユーザーに対してコンテンツで付加価値を向上させれば販売機会が創出されます。コンテンツマーケティング強化からのSEO対策、そしてコンテンツが増えればそれをソーシャルで投稿したらそのチャネルも強化されます。それでトラフィック向上に成功したら売上アップが狙えます。で、モールと違ってMD計画は組みやすいので、在庫対策はモールよりは組み立てやすいかと思います。

 

自社ECは基本的にはブランド認知と売上が相関しますので、認知度向上とブランドロイヤリティ向上が一番の対策になります。サイトのユーザービリティやKPI設定などのテクニカルな事はその後のお話、というより平行してやらなければならないので優先順位が違います。

 

と、ある程度どのブランドでも汎用性のある感じでざっくりとまとめました。ただ、しつこいようですがECは在庫が残りやすいので、それを吐く場所は確保しておく必要があります。(こちらでリサーチした結果ではプロパーで消化できる割合はおおよそ3〜4割程度)大手アパレルはアウトレットを持っていますから、在庫をそこで消化する事もできますが、そうでないブランドはフラッシュセールサイトやバッタ屋などに格安でバタかないといけなくなるかもです。そこの計画も事前にしっかり立てておかなければ、ECで売上アップができたとしても蓋を開けたら「利益上がっていない…。」なんて事になりかねないのでご注意ください。

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深地 雅也
WRITER

株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。 繊研新聞にてEC関連記事連載中。→ https://senken.co.jp/posts/fukaji01

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株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。 繊研新聞にてEC関連記事連載中。→ https://senken.co.jp/posts/fukaji01

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