フルフィルメント  2018-08-21

「D2C」と「EC限定」には違いがあるのか?

メガネスーパーを運営するビジョナリーHDの執行役員であり、ECのエバンジェリストの川添氏からのリクエスト。D2C(Direct to Consumer)は以前にもこちらのnoteで調査しておりますが、

 

D2Cブランドはどれくらいの価格なら売れるか?

 

上記の記事では主に「価格戦略」について触れています。ECは商品を直に見れない・試着できない上に他の商品との比較が容易なので、どうしても安いものが売れやすい。そのあたりを考慮しているのか、上記で取り上げているD2Cの有名ブランドは上限でも95$程度。

 

 

○D2CとEC限定に違いはあるのか?

今回川添氏からリクエストのあった「D2C」と「EC限定」の違いとは?という問いですが、言葉の意味だけで言うと違いがあるのかないのかよくわかりません。D2Cは顧客に直接届けるので、ショールーミング用店舗があります。EC限定はその名の通り、ECでしか展開してませんから、実質的な一番の違いはそこかと思います。

 

ただ、上記記事にてD2Cブランドを調査して思ったのは、少ない型数でも縦で販売できるくらいコンセプト・アイコンがしっかりしている事です。普通、ECはSKU数が多ければ多いほど有利なんですが、スタートアップ時に複数の型を用意すると、売れる見込みが低い割に在庫リスクが高くなってしまいます。これを解消するにはアイコンアイテムがしっかりと設定されている事、そしてその価格もエントリーしやすいものでなければなりません。D2Cブランドはそのあたりの設計がどれも秀逸なんです。で、肝心の店舗での展開ですが、こちらは完全に体験型にしてブランディングメイン。D2CだからこそWebとリアルの役割をきっちり分けれるんでしょう。

 

で、EC限定ブランドですが、こちらはマルチブランド戦略取ってるアパレル企業がやってるイメージが強いです。今回発端となった、

 

ベイクルーズ、EC限定の新ブランド「シャルル シャトン」がデビュー

 

ベイクルーズさんのような展開の仕方。なんでこんな事をするのかと言いますと、これは川添さんが端的に説明してくれていますね。

「将来店舗を出す為のマーケティング的な位置付け」。過去、ブランドをスタートするには必ず店舗が必要でしたし、出店には多大な初期コストが必要になります。集客は出店する商業施設からその館の顧客に対して通知をしてもらったり、メディアにてプレスリリースして認知を上げたり。自社ではそれまで獲得している顧客リストに通知もします。しかし、今や大手アパレルは自社ECモールを持っています。会員数も数百万まで膨れ上がっているサイトもありますから、初期はここで拡販が可能になります。出店コストもプラスではほとんどかかりませんし、スタート時のマーケティングの場としてはうってつけでしょう。

 

大きな違いとしてはこのあたりになってくるのでしょうか。D2C自体がバズワードになり、今やEC発の単体ブランドは全てそう呼ばれてそうな雰囲気がありますが、成功事例をよく観察してみるとその多くがECの力を過信していないように見受けられます。「初期コストがかからない」のはスタートはしやすいですが、だからといって売れやすい訳ではないのです。これを有効活用できるのは既にリーチを持っている企業に限られるのでインターネットの特性上、ここも強者が総取りしやすい環境ですね。

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深地 雅也
WRITER

株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。 繊研新聞にてEC関連記事連載中。→ https://senken.co.jp/posts/fukaji01

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