若者の目  2019-03-06

今、Supremeに感じる違和感

僕は24歳、大阪の泉佐野市という郊外出身だ。地元の人間なら知っている事ではあるが、泉佐野市というのは周辺に遊ぶところが極端に少ない地域であり、今風に言うと「マイルドヤンキー」と呼ばれる人種が多く住む街に当たる。当然筆者もその内の一人である事は言うまでもない。(マイルドが付くかどうかはこの際置いておく。)

 

そんな娯楽が極端に極端に少ない街だからか、中学生の頃(10年程前)は、大型スーパーや海辺のコンビニのだだっ広い駐車場でスケートボードやBMXなんかで遊ぶ事が多かった。

 

オマケに生まれ育った地区は日本有数のレゲエタウン。アーティストがMVやLIVEで着ている衣装の影響もあり、着る洋服といえばStussy、THRASHER、Vans等スケーターブランドに偏り、僕の周りではどのブランドもダントツでロゴ物が人気だった。

 

中学時代、StussyのストックロゴTeeを着ていると先生に持ち物検査をされるなんて噂もあった程スケーターブランドのロゴ物は悪さの象徴だったのかもしれない。そしてその悪さに強い憧れを持って、心を奪われていた。

 

その中でも誰もが心を鷲掴みにされ憧れに憧れたスケーターブランド、それが「Supreme」だった。

 

とは言っても中学生にはかなり高価で、精一杯背伸びしても取り入れられるとすれば、定番のジェットキャップ。これも色や柄が先輩や友達と被らないように、慎重に選んだものだ。僕は運よく地元の3畳程しかない小さい古着屋で、リブが擦り切れ掛かっているSupremeのスウェットシャツを390円で買って着ていたが、それを学校に着て行くとヒーローになれた。だが、今のSupremeの持て囃され方はこの頃(2007~2009)とはかなり変わったように思う。

 

 

曖昧になっていく「ストリート」の境界線

Supremeと言えば「ボックスロゴ」この認識はいつの時代も変わらないが、大阪の街で見かける頻度が高くなるにつれ、少し違和感を覚えるようになった。

 

それは、ファッションとしての統一性に欠ける着こなしが増え、いわゆる、ルーズな如何にもスケーターらしい着こなしが時代に合わなくなったのと同時にVETEMENTS、OFF-WHITEなど、ストリートファッションにラグジュアリーストリートという新たなカテゴリーが生まれ、更にNIKE×OFF -WHITE、Vans×FEAR OF GOD等、10年程前まではスケーター御用達だったシューズにラグジュアリーストリートブランドのエッセンスを加えたコラボレーションが増え、ルーズなスケータースタイルと、スタイリッシュなラグジュアリーストリートスタイルが「ストリート系」として同義化されている事がその違和感の原因だと僕は考えている。

 

では何故このような状態になっているのか。

 

 

「ストリート」に対する違和感の正体

僕の考えはこうだ、かっこいい物を見る、触れる場所がストリートからソーシャルに移行している。僕自身が中学生の頃はネットから情報を拾う事も出来たが、実際に街に出てかっこいい物を探していた。地元の先輩や、少し離れた他校の友達の着ている物や、好きなアーティストが着ている服など、探し回っているうちに本当に気に入った物を時間を掛けて足を運んで探し出して行く。お店に辿り着くまでの道のりでカツアゲされて買えなくなっちゃったりと、その道のりにもドラマもあったものだ。(悪い意味で…)

 

だが今の中高生は幼少期から手元にはスマートフォン、TwitterやInstagram等、情報網の発達により、世界の最新情報が瞬時に手に入る。気に入った芸能人やユーチューバーの着ている物で欲しい物があると、サイズ感がわかっていれば欲しいと思った瞬間の熱が冷めないまま画面の上で買えてしまったりと、”出会い方”や”買い方”が僕等とは大きく違う。

 

ルーツやブランドのバックボーンはさほど気にせず今、瞬間的に輝いている物を追う、そこに説明や能書きはいらない。時代の流れに上手く乗り、その時代を輝く”ビジュアル先行型”の若者が増えてきている様に思う。

 

かつて僕が追いかけた”ファッション”とはまた違った所に”新たなファッション”が存在していて、その”ファッション感”はその世代の心に深く刻み込まれてゆくのであろう。そして今後、もっと気軽に、もっと自由に、感覚を重視した新たなファッションを楽しむ時代に突入してゆくのかもしれない。

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左内竜也
WRITER

ラグジュアリーブランド、レザーバッグなどの販売経験を経て現在、販売・営業・ライターと幅広く活動中。ストリート・スニーカー関連に精通しており、若者のフィルターを通してファッションを伝えていきます。

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