ファッション全般  2019-03-08

「エキゾチックレザーのみ廃止」がサステナビリティーで、earth music&ecologyの「エシカル」が全く倫理的ではない理由

英百貨店セルフリッジ、エキゾチックレザー製品の販売を2020年までに廃止

英百貨店セルフリッジ(SELFRIDGES)は、2020年までに爬虫類などの革から作られたエキゾチックレザー製品の販売を取りやめると発表した。対象となるのはヘビ、ワニ、トカゲなどで、20年2月には食用の家畜から取られた皮革製品のみを取り扱うことを最終目標に掲げている。
(中略)
セルフリッジは05年に毛皮製品の販売を取りやめており、ほかにも“意識的な消費”を推進するなど、環境保護に先進的に取り組んでいる。

 

ロンドンの百貨店「セルフリッジ」がエキゾチックレザーの販売を2020年までに廃止するとの事。注目すべきは「農畜レザー」は継続して使用するという点でしょうね。この取り組みはとっても納得できるものだと思うのです。

 

エキゾチックレザーとは…クロコダイル(ワニ革)・リザード(トカゲ革)・パイソン(ヘビ革)などの爬虫類皮革に加え、オーストリッチ(ダチョウ革)・シャーク(サメ革)・エレファント(ゾウ革)などの希少性の高く独自の模様を持つ皮革の総称です。 レアレザーとも呼ばれています。

 

エキゾチックレザーとは|種類ごとの特徴とお手入れ方法 – exotic social club【エキゾチックソーシャルクラブ】

 

 

○農畜レザーの使用はサステナビリティー?

農畜レザーのみ継続という事は、つまり牛・馬・豚・羊などですね。これのどこが環境保護なんだ?と思われる人もいるかもしれませんが、歴とした環境保護だしサステナビリティーであると言えます。

 

食肉を廃止しない限り原皮は自動的に生産され続ける

 

レザーを使うことを廃止したところで、レザーの原料になる原皮は毎日何万枚も生産され続けているのです。 理由は簡単です。食肉がなくならないからです。 原皮は、食肉用に屠殺された牛、豚、羊、馬などから毎日自動的に生産され続けているのです。 となると、レザーを使わなくなったところでなんの意味もなく、原皮は捨ててしまうしかないのです。もしくは何かの飼料にするか。

 

上記記事にも記載がありますが、衣料品で使われるレザーは基本的には食肉用の動物の物が使用されています。食肉が無くならない限りは、衣料品に使ったりしなければゴミが増えるだけです。そして、食肉用の動物って家畜なのでこれもサステイナブルなんです。動物愛護を唱え、自身も一切肉を口にしないデザイナーのステラ・マッカートニーさんのような人しか文句言えない訳ですね。

 

最近、こういった「エシカル」「サステナビリティー」といったメッセージを伝えるブランドが増えてきています。国家としてGDPが上がり豊になってくれば、環境や健康に配慮するといった動きが高まって当然なんですが、どうやらそういったブランドを使う事がクールであるという空気感があるみたいです。セルフブランディングにも利用しやすいんですかね。

 

 

○工場の風景を写せばエシカル?

earth music&ecology2019年春新CM「エシカルへ」篇スタート、ブランドメッセージは「エシカル」

株式会社ストライプインターナショナルの主力ブランド「earth music&ecology」は2019年春の新CM「エシカルへ」篇を2月27日(水)より全国で放送を開始いたします。 20周年を迎えるアースは洋服を生産する立場の責任を改めて考え、 ブランドメッセージを「エシカル」に決定しました。

 

この流れの中、ストライプインターナショナルのブランド「earth music&ecology」が新たにエシカルを打ち出しています。しかし、動画を見る限りではバングラディッシュの縫製工場を紹介しているだけで、これの何がエシカルなのかが不明です。

 

記事中に記載がありますが、アースは現在274店舗。これだけの店舗の商品を生産しようと思うと結構な生産量になります。更に価格も安価であり、原価率も恐らく相当低い。(製品見たら大体わかります…。)商社関連の方々からも、ストライプは仕入れコストを相当買い叩くというお話がある事で有名なのですが、これって結局「低価格」「大量生産」「大量消費」なんです。

 

例えば今の取り組みを見直して「工場へ支払う工賃を上げる」とか「大量生産を抑制する」とか具体的な施策がセットであるならまだわかるんですが、それが全く無い。今のアースの状況でそれを実行しようと思うと、単純に売上か利益が下がりますから、具体的な施策は実行しにくいでしょう。できない事を伝える必要はありませんし、大量生産・大量消費を今すぐやめる必要もありません。今で消費者には十分なメリットがあるのですから。

 

細かな点を見ていけば、どの企業がちゃんとしたメッセージを出しているかはわかります。ストライプインターナショナルは企業としてはCSR(企業の社会的責任)に取り組んでいるので、わざわざエシカルという位置付けが難しいアースとして発信せずとも、企業としてプレスリリースしておけばいいのではないのでしょうか。

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深地 雅也
WRITER

株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。 繊研新聞にてEC関連記事連載中。→ https://senken.co.jp/posts/fukaji01

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