フルフィルメント  2019-03-15

アパレルブランドの「ZOZO離れ」はいつかの「楽天離れ」の再現

今「自社EC」と「プラットフォーマー」を考え直すべき理由

『ZOZOの方針が間違っている』といった類いのことではありません。確かに、「ZOZOARIGATO」に端を発してはいるけれども、ZOZOを離れる決意をしたブランドは、単なるZOZOへの反発心から離脱したわけでは、もちろんないでしょう。 それよりももっと早い段階から「自社EC」の重要性を見通し、そこへの投資を惜しまず体制を整えてきた企業が、今回の件をきっかけに満を持して撤退している、というのが本当の見方なのではないでしょうか。

 

年末のオンワード撤退から、常に話題になる「ZOZO離れ」。

 

オンワード樫山がZOZOTOWNから離脱した理由とは(訂正)

 

上記の記事では、そもそも自社ECの重要性は各社感じていた事で、体制が整った企業から離脱したという言い分。細かいところは置いといて、このあたりは同意です。ていうか、このお話どこかで聞いたことあるなーと思っていたのですが、、

 

楽天市場からの撤退企業が相次ぐ。自社ECサイトやBASEなどで勝負! 日経MJ |

 

楽天離れからの自社EC強化のニュースが2017年4月に報じられてました。楽天離れの原因は、

 

・楽天市場で目立つには価格を下げるか、派手なデザインにしないといけない
・外部リンク禁止の制約で、InstagramなどSNSとの連携ができない

 

との事です。

 

 

○ECモールは今も顧客囲い込みの手を緩めていない

ZOZOもプラットフォーム内で埋もれない為に「プロダクト広告」や「クーポン発行」が必要ですし、

(プロダクト広告)

 

(クーポン)

 

ソーシャルメディアは楽天同様、ZOZO用のもので無ければ禁止です。よく、「モールのお客はモールでしか買わない」なんて事を言われます。当たってる部分ももちろんあるのですが、全部が全部そうという訳ではない。だからこそモールはセールやクーポン・ポイントなどで顧客を囲いこもうとしますし、外部リンクを許しません。ZOZOでは特にクーポンやセールはブランド負担なので、モールのお得感を作っている元凶はブランド側なのですが。。

 

つまり先に顧客の囲い込みをしたのはECモール側なので、ブランド側は本来であれば自社ECに取り込めていた可能性のある「ブランドを認知しているライトユーザー」を取られた形になります。ECモールの先行者利益とも言えますね。で、アパレル企業の沿革を数社分見てたんですが、

 

(ユナイテッドアローズ 沿革)

 

(アーバンリサーチ 沿革)

 

各社、EC事業が本格的に立ち上がったのは2005年以降くらいでしょうか。ZOZOTOWNが立ち上がったのが2004年、そこからすぐユナイテッドアローズ(以下、UA)が出店。当のUAは自社ECを開始するのが2009年です。気づいた時には後の祭りでしょう。この頃、僕の古巣周りの競合他社はZOZOでの売上を楽しそうに自慢していましたし(当時、半期で億単位売れると聞いて驚愕してました。)、僕も「めっちゃ売れるやん…。ZOZOすげぇ。。」と純粋に思っていました。今でこそZOZOでトップの売上を誇るブランドは年間50億円以上売ったりしますが、どんな大手セレクトに卸したところで年間に億単位の売上作るのってめっちゃ難しい。それがZOZO1軒に卸すだけで軽く億越え…。

 

当時、自社ECで顧客データ獲得して囲い込むという発想はブランド側にはもちろんありません。自社ECやり出した頃にやっと気づいたんだと思います。「楽天は顧客データが取れないし、出店料が高い…。」と嘆いていた当時のセレクトショップを思い出すくらい同様の事が今起こっているという訳です。

 

 

○プラットフォーム事業以外の切り口が必要になる?

有名ブランドほど、自社のプラットフォームを拡大するのに時間がかかりませんから、このままいけば更なる離脱が加速する事でしょう。「楽天はダサいから」という理由で敬遠されてきた事が、ZOZOにも降りかかる可能性が出てきてしまってます。楽天は「ポイント」という経済圏のおかげか、決済事業にてまた違ったところでアパレルと組み始めていますが…、

 

楽天とビームス ジャパン、コラボレーションによる企画 「Rakuten meets BEAMS JAPAN」を開催

 

ビームスや、

 

UNITED ARROWS LTD.|ニュース|楽天ペイで楽天スーパーポイント 10倍キャンペーン!

 

ユナイテッドアローズ、

 

楽天ペイ: アプリ決済が使えるお店

 

ライトオンなどなど。

切り口がプラットフォーム事業のみだと、離脱が起こった際のリカバリーが効きませんが、決済とポイントで囲いこむ事に成功しています。ZOZOはこうなる前に、早いところアラタナを活用してto B強化しておくべきでしたが、ちょっとタイミングが遅かったように思いますね。今後、離脱を避ける為に料率を下げていくのか、安物のマーケットプレイスとして継続していくのか、注目したいところです。

 

ZOZOARIGATO(ゾゾアリガト)はゾゾタウン史上最悪の核兵器

ZOZOの新商品が話題にもならなくなってきた?

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深地 雅也
WRITER

株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。 繊研新聞にてEC関連記事連載中。→ https://senken.co.jp/posts/fukaji01

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