フルフィルメント  2019-03-16

ECモールの「手数料35%」は高いのか?

ZOZOTOWNの影響か、すっかり話題になってしまったECモールの手数料問題。我々の業界では「料率」と略されるものですね。一連のZOZO撤退報道からも、この「料率が高い」「いやこの料率は妥当だ」という話題はよく上がっておりました。

 

オンワード樫山がZOZOTOWNから離脱した理由とは(訂正)

(ZOZOの料率や初期コストに関してはこちらをどうぞ。)

 

料率に関しては、もちろん双方合意の元で契約がまかれるので、そのあたりはブランドも文句を言える立場ではありません。問題はこの費用が安いのか高いのか?を筆者の経験上から判断してみたいと思います。

 

 

○料率35%は適正か?

まずこれに対して「高くない!」という方々の意見を集約してみました。

 

・ささげ業務、販促費、物流費などの販管費を考えるとトラフィックも担保されるし高くはない
・百貨店の率と大差無い

 

との事でした。確かにこれを見たら「適正だな」と思われる方も多くいらっしゃるでしょう。ただ、これは率にしているところがちょっと判断が難しいところなのです。何故なら年間売上1億円のブランドと10億円のブランドでは全く意味が異なるからです。(前者は手数料3500万円で後者は3億5000万円)ささげや物流費は変動費と言え、スケールメリットがありますから、規模が大きくなればなるほどコストダウンできます。なので正直なお話、売上規模が大きい場合は35%の料率は高いんではないかというのが持論です。(なのでブランドによって料率には変動があるようです。)ZOZOに出せば確かによく売れるブランドもありますし、ブランド属性や売上規模によっては利益を得れるところももちろんあるかとは思いますが。

 

 

○百貨店の率は?

百貨店の消化仕入れでの家賃比率が大差無いとの事ですが、35%程度の率を取る百貨店は僕の知る限りでは梅田阪急か新宿伊勢丹くらいですかね。ZOZOもファッションECモールではトップなんで確かに比較したら同程度でも問題は無いんでしょうけど。百貨店はその上、販売員の人件費が嵩んできますし、集客力はやや陰りが見えているので個人的にはZOZOよりよっぽど高いと思っていますが。。(値引きなどの優待は百貨店持ちです。)

 

その他の百貨店はざっくりですが25%くらいが消化仕入れでの掛け率だったかと記憶しています。SCだと20%前後になりますね。ルイヴィトンやシャネル級のハイブランドのように売上規模が大きく、ブランド自体が集客装置になるような場合は率は大幅に下がります。噂では10%くらいまで下がるのも珍しくないのだとか。(すみません、このあたりはちゃんとした数字は把握できていませんが)先述した通り、ZOZOでも同様のことが起こっており、売上が大きいブランドは料率が下がるようですね。

 

百貨店を含むリアル店舗のメリットは消化率でしょう。これ、比較するとwebとは結構差があります。僕の周辺での事例になりますがECでのプロパー消化率は30〜40%程度しかなく、アウトレットを持っていなければ消化するのに結構苦労されているところが多いです。同ブランドはリアル店舗のプロパー消化は60%前後くらいありますから、在庫消化の観点からも判断する必要があります。

 

 

○では出店すべきなのか?

ではZOZOに絶対出店すべきなのか?という事なんですが、個人的にはそう思っておりません。そもそもECというのはブランドが確立されている場合でないと売上アップに即効性が無いからです。そして既に知名度があったとしても、店舗もあって、顧客がたくさんいるブランドからするとわざわざモールに顧客データを取られてクーポンやセールで囲い込みされる方がデメリットが大きい。(しかもセールやクーポンはブランド負担)つまり、既にブランド認知が高い場合、わざわざ自分たちでZOZOのクーポンを負担して料率を取られながら販売しているという事になります。しかも顧客リストも取れません。

 

だからこそ料率の交渉が重要で、これが下げてもらえるなら出店するメリットも大幅に出てくるかと思います。なので今後、アパレル大手がZOZOを離脱するかどうかはこの「料率の交渉」に全てがかかっていると言えそうです。

 

 

○フルフィルメント事業者の料率はだいたいどのくらい?

大手アパレルは自社ECの運用をフルフィルメント事業者に依頼しているケースがほとんどでしょうけど、その場合も料率が設定されています。弊社で確認しているところでは、大体が売上の20〜30%程度。作業項目としてはささげ業務、物流、日々の更新業務(ニュースくらい)といったところでしょうか。LP作ったり、特集記事書いてもらったりというコンテンツ制作はやってるところ少ないですね。ここやられると弊社のお仕事無くなっちゃうのでやってくれなくていいですが(笑)

 

販促費、つまりweb広告は別途で徴収しているケースが多いように感じます。これに関しては売上の何%というより、どれくらいの費用をかけるかはブランドによって異なっているようです。メリットとしては自前の顧客リスト増やしていけるし、ブランド認知高めやすいです。モールのお客って意外とブランド認知低いので。。

 

と、つらつらと書いてきましたが、

こちらの方のご意見に激しく同意です。まあブランドさんの方針なんで、そこは上層部の決定次第かとは思います。モール出店するからこそ売上が最大化できるって事もありますし、利益は先述したように料率次第ですからね。

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深地 雅也
WRITER

株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。 繊研新聞にてEC関連記事連載中。→ https://senken.co.jp/posts/fukaji01

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株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。 繊研新聞にてEC関連記事連載中。→ https://senken.co.jp/posts/fukaji01

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