ブランド・ビジネス  2019-04-15

急拡大したワークブランド「ユニバーサルオーバーオール」

ワークマンプラスのヒットからもわかるようにワーキングはカジュアルとの親和性が高いのですが、カジュアル専門店やセレクトショップとの取引数を急速に増やしているワークテイストブランドがあります。その名を「ユニバーサルオーバーオール」といいます。

どれほどの広がり方なのかというと、このスタイルピックスで木曜日を担当しているマサ佐藤氏が自身のブログで

 

http://msmd.jp/archives/1502

 

特に、本当にどこでもあんな~。。。と感じたのは、UNIVERSAL OVERALLというブランドです。

 

と書いているほどに渋谷界隈のセレクトショップはこぞってこのブランドを仕入れています。

 

改めて店を廻ると、そのNike商品以外の買付も、渋谷セレクトショップ協会のバイヤーが
一人でバイイングしているのでは?と感じる程、多くの買い付け商品で同じ商品が陳列されていました。

 

と揶揄したくなるほどに、セレクトショップは同じブランドをそろって仕入れる癖があります。

 

で、このユニバーサルオーバーオールですが、米国・シカゴで生まれた作業服ブランドですが、日本ではドリームワークスという会社がライセンス権を取得して、国内向けにライセンス生産をして、各小売店へ卸しています。

2017年2月から店頭販売がスタートしたのですが、開始からわずか2年で卸売りベースで10億円弱にまで成長しています。

 

バブル期ごろまでならいざ知らず、アパレル不振である2010年以降は、卸売りの新規ブランドが売り上げ規模を拡大することはなかなか難しくなっています。

某合同展示会主催者は、

 

「昔はどうだったか知らないが、今の状況で卸売りの新規ブランドは3億円~5億円規模に成長するのが精一杯。10億円を越えることはかなり難しい」

 

と話したことがあります。そういう状況にありながら、わずか2年で10億円弱にまで売上高を拡大できたというのは、異例の大ヒットだと言わねばなりません。

 

では、ユニバーサルオーバーオールの大ヒットの原因はなんだったのでしょう。

 

1、ドリームワークスの営業活動が巧みだった

2、例えばパンツが8000~1万円という比較的手を出しやすい中間価格帯だった

3、セレクトショップの別注に柔軟に対応した

4、同様の立ち位置の先行ブランドであるディッキーズの人気が失速した

5、ライセンス生産で日本人に合った商品を企画生産した

 

などが考えられます。

 

今春、ユニバーサルオーバーオールの2019年秋冬展示会が開催されました。

 

 

好調の波に乗っているともいえるユニバーサルオーバーオールの今秋冬の政策は、

 

「定番を強化する」

 

です。

 

今回の展示会では、ワークジャケット・ブルゾン類を含めて全アイテムで定番商品を強化して、型数を増やしました。また、レディースでの人気も広がっていることからレディース向けのアイテムも増やしました。レディース向けと言っても、いわゆる女性服ではなく、メンズと同様のテイストで、サイズ感や体型を女性向けにした商品です。

今回新たにスタートするのは定番チノパン。

 

 

スリムテイパード、テイパード、スタンダード、ワイドの4種類のシルエットで、ベージュ、カーキ、ネイビー、ブラックの4色。価格は7900円。素材は作業服らしくポリエステル65%・綿35%ですが、スリムテーパードだけはポリウレタン混のストレッチ生地を採用しています。

 

ちょうど10年くらい前に、セレクトショップやジーンズ専門店で人気を博したディッキーズのチノパンとほぼ同じ価格帯に設定し、中間価格帯の定番品として長く供給することを狙っています。

 

定番を強化すると言っても、セレクトショップ各社は別注を作りたがるもの。そういう要望にはこれまで通り、柔軟に対応することで既存取引先とのパイプも太くします。

 

 

また、4月上旬から、自社オンライン通販ショップが開設しています。

 

https://universaloverall.jp/

 

ドリームワークスによると、

 

オンライン通販で売上高を拡大したいというよりは、卸売りをメインとすることは変わらないが、全アイテムを見たいという人のため、それから近くの店で取り扱っていない人が買えるようになるためのもの

 

ということです。

また、海外からの引き合いも増え始めており、今年8月には台北で展示会を開催することが決定しています。2020年春からは台湾への本格的な卸売りが始まります。

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南充浩
WRITER

1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間15万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシャルブログ

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1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間15万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシャルブログ

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