若者の目  2019-04-24

背景が色濃く残るストリート

ここ数年、街を歩けばストリートスタイルに身を包んだ若者を見かける事が多くなった。定価の何十倍にも跳ね上がったいわゆる〝プレ値〟のスニーカーを大切に、誇らしげに履いている姿を見かける度に、やはり履いてこそのスニーカー、着てこその洋服だと実感する。

そもそもストリートスタイルとは若者が独自に生み出したファッションの形であり、いつの
時代も反骨の象徴として変化を続ける面白さを持っている。そのストリートスタイルには何故?と思う様な不思議なスタイリングやアイテムの使い方が歴史の中で受け継がれている。

 

 

・サイズシール

MLBのオフィシャルキャップブランドとしてはもちろん、多くのファッションブランドとの コラボで、ベースボールキャップ=ニューエラとまで言わせる程のブランドに成長した。 もうピンと着た方もいるかと思うがニューエラのベースボールキャップには金色のサイズ シールが付いている。 これを外さずにかぶる事は、もはや常識とも言える程、浸透しきっている。 だが何故外さずにそのままかぶるのか?

その理由を知る人は案外少ない。 スポーツウェアがファッションとして盛り上がった1980年頃のアメリカ、貧しい家庭で 育ったブラックアメリカンが着られる洋服はボロボロの古着くらいのものだったそうだ、新 品の服を着られる機会は皆無で、皆新品への憧れを抱いていた。 その反動で憧れの新品への拘りが非常に強く、新品である証として、洋服のタグ等を外さず に着ていたそうだ。 その中でもニューエラのベースボールキャップのキラッと金色に光るシールは当時、新品の 証明としては極上のものだったのではないかと思う。

 

 

・トップボタン

いわゆるストリート系の方はよく、シャツの1番上のボタンだけを閉めた独特のスタイリン グをしている。 今でこそ、少し一般的になったスタイリングなのだが、90年代のアメリカではシャツの1番 上のボタンのみを閉めている人物はギャングの関係者だと疑われる程、悪の象徴とされるス タイリングだったようだ。 発祥はこれまたアメリカで、メキシコ系アメリカ人組織のチカーノギャングが抗争の際に腰 に刺した拳銃を素早く抜き出せるように生まれたのである。 発祥の怖さは群を抜いているが、このスタイリングは僕自身、かなり好きなスタイルである。

 

 

・シューレースベルト

その名の通り靴紐をベルト代わりに巻くというちょっと変わったアレンジだ。 個人的にこのスタイリングには馴染みがあってなんで?と思う事はなかったが 3年ほど前に女性がこのスタイリングをしているのをちょくちょく見かけていた。 何故靴紐なの?そう思う方も多いと思う。発祥はスケーターカルチャーである。 跳ねたり、回ったり沢山のアクロバティックなトリックを繰り返すスケーターには、怪我が 付き物。

 

 

なるべく怪我は最小限に抑えたいと考えたスケーターは、スケートシューズに付属している換えの靴紐をベルトの代わりに巻けば、バックルで腹を打つ事が無いのでは?と考えこのスタイリングが生まれたと言われている。今や、ヒールを履いてシューレースベルトなんて粋な女性も現れ、ますますファッションは面白いなと感じた。

 

「なんとなくカッコよく見えるから」「みんながやってるからなんとなくやってた」そんな方も多い筈です。

 

ですがやはり、洋服やスタイリングの背景を知ることで新しいファッションの楽しみ方を見つけ、今より少しだけでもファッションを好きになってもらいたいものである。

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左内竜也
WRITER

ラグジュアリーブランド、レザーバッグなどの販売経験を経て現在、販売・営業・ライターと幅広く活動中。ストリート・スニーカー関連に精通しており、若者のフィルターを通してファッションを伝えていきます。

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