ブランド・ビジネス  2019-08-23

ユニクロ・ZARA・H&Mの「次」を勝手に考えてみた!

【旋風】今、世界で「EC特化のファッション革命」が止まらない

 

今、アパレル・ファッション業界にあるグローバルな「うねり」が起きています。EC(ネット通販)に特化したファションブランドの台頭です。
2010年代から本格的に登場し始めたこの新たなプレーヤーは、オンラインに特化した販売スタイルと、SNSの活用によって一気に拡大しています。
オンラインで獲得した顧客や財務基盤を背景に、リアル店舗を出店する動きも出ています。もちろん、既存のファッションブランドも、ECサイトをスタートさせて、オンライン戦略を強化していますが、一部のブランドでは既存店の売り上げに陰りが出始めています。

 

NewsPicksの有料記事にて、「EC特化」のファッションブランドやモールの特集が組まれていました。これらのプレイヤーが既存のファストファッションブランドに取って代わる、とまでは言わないまでも経営戦略の変更を余儀なくされているとの事。規模的にインディテックスやユニクロまで拡大しようと思うと相当な時間がかかってくるでしょうけど、近年成長が目覚ましい企業もちらほら見かけます。個人的にちょっと気になったのがバナーに記載されている”ユニクロ・ZARA・H&Mの「次」”という文言ですね。

 

 

現在、当たり前のように世界トップはZARAを擁するインディテックスと言われていますが、以前はどうだったのか。

 

【2008年通期 GAP決算書】

 

GAPが2008年に145億ドルの売上。

【2008年通期 Inditex決算書】

 

それに対してインディテックスは2008年は104億ユーロ。2008年くらいまではGAPの方が売上規模が大きかった訳です。

 

世界のアパレル専門店売上ランキング2008-2009

2009年くらいから、インディテックスがGAPを抜き現在では、

 

世界アパレル専門店売上ランキング2018 トップ10

GAPは4位まで転落しています。こういう経緯を見ていますと、以前は「GAPの次」がZARA・H&M・ユニクロだった訳で、次に来るブランドは既にベスト10内で頭角を現しているのではないかと。という訳で今回は超独断で勝手に「ZARA・H&M・ユニクロの次」を考えてみる事にしました。(そもそも何を持って「次」なのか?って話なので、売上規模にフォーカスしました。)

 

◯本命はプライマーク?

単純に現在の世界ランキングで売上急上昇なのはプライマークですかね。創業は1969年とインディテックス(1963年創業)と然程変わらないのですが、ランキングで見ても10年前は3446億円だったのが昨年1兆円を超えています。ここ数年もずっと二桁成長していますし、営業利益率11.3%。あんなに安い服売ってて利益ちゃんと出るんだから恐ろしい…。

 

 

プライマークは商品が安すぎるせいでECはやらないんですが、大型店で1店舗あたりの売上が非常にでかい。1兆円超えてるのに2018年通期決算時には360店舗しか無かったんだから驚きですね。

行った事ある人ならおわかりでしょうけど、店内は服が無造作に床に撒き散らされていて、店員さんがモップで服をかきあつめたりしています。レジの人も普通に椅子に座りながらお会計してるので初めて行った時は中々衝撃でした。。

 

 

◯ASOSより規模が大きいZalando

記事中にはECのプレイヤーとして急成長中のboohooと、

 

boohoo

 

そしてロンドンのASOSが取り上げられていました。

 

ASOS

 

売上はboohooが年間1100億円で、ASOSが3050億円との事。このあたりは「2030年 アパレルの未来」にも詳しく記載がありましたね。

 

しかし規模感だけで言うならドイツのZalandoの方が断然上です。

 

Zalando

 

 

2018年度の通期でグループ全体で€5,388,000,000(6358億円)の売上。

 

Digital Disruption in the Fast-Fashion Industry

 

海外の記事読んでますと、Zalandoはまるでファッションに特化したAmazonのような存在ですね。配送無料で2日以内に商品が到着し、返品無料は100日以内だそうです。自社集荷センターをドイツ国内に3箇所保有していて物流への投資が半端ない。

 

Webサイトも17ヶ国対応。2008年創業でこの成長スピードが凄すぎる…。商品取り扱い額だと単純にZOZOやASOSの2倍ですからね。。

 

 

◯規模感なら既に世界一?のオフプライスストア

最近、日本でもワールドやゲオが参入して話題になっているオフプライスストア。その中でもアメリカでトップのプレイヤーはインディテックスより売上規模は大きいのです。

 

TJ X

 

オフプライスストアのT.J.Maxxを傘下に持つTJX Companiesの年間売上は、

 

The TJX Companies, Inc. Reports Q4 and FY19 Results; Achieves above-Plan Comp Sales Growth of 6% for Both Q4 and FY19; Exceeds Q4 EPS Expectations; Announces Plans to Increase Dividend 18% and to Buy Back $1.75 to $2.25 Billion of Stock

 

$39.0 billion。1ドルが106円だとすると4兆1340億円。超巨大やな。。

 

アパレル業界の世界ランキング:ユニクロはH&MやZARAを超えて世界一になれるのか?

 

ちょっと古いデータにはなりますが、上記のようにアパレルランキングに組み込まれてたりもしますね。(なんでかKeringまで入ってて変なランキングですが。)アメリカでは結構な市場規模があるオフプライスストアですが、日本ではまだ有力なプレイヤーがいない状況です。「ファストファッションの次」にオフプライスストアを挙げるのはちょっと微妙かもですが、アメリカの小売店閉店の背景にはオフプライスストアの影響も少なからずあるのではないかと思いピックアップした次第です。

 

 

◯Amazonのアパレル部門の売上は既に世界トップクラス

 

 

 

やや古い記事にはなりますが、2017年度のウォルマートのファッション分野で290億ドル、Amazonが246億ドルとの事。決算書確認したんですが、カテゴリー別の売上は掲載が無かったのでアナリストの予測でしょうか。(ちゃんとした数字あったら誰か教えて…。)

 

Amazonファッションの売上はAmazon全体の10〜20%と予測されていますので、

 

 

2018年通期で2328億ドルの売上。単純に10〜20%で換算したら233億ドル〜466億ドルがファッションカテゴリーの売上と予測。2020年にはファッションだけで850億ドルに到達するという予測ですが…。ここまでいったら日本のアパレル市場規模と並ぶくらいになりますね。えらいこっちゃ…。

 

上記、思いつく限りをピックアップしてみました。本題とは相当ずれてしまいましたが、規模感だけで判断するならこんな感じでしょうかね。(もはや自分がちょっと調べておきたかった数字を羅列した感じになってしまった…。)あと、書いてて思ったのが「どこまでを含めたらいいんだ?」という点ですね。単純に売上規模だけならNIKE(343.5億ドル)やLVMH(468億ユーロ)なんかも入ってきそう。

 

個人的にはインディテックスとファーストリテイリングは順調に成長するだろうし、そんな簡単に「次」って事にもならないんじゃないかと思ってます。H&M・しまむらあたりはちょっと黄信号な感じがしますが…。

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深地 雅也
WRITER

株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。 繊研新聞にてEC関連記事連載中。→ https://senken.co.jp/posts/fukaji01

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