フルフィルメント  2018-01-15

二極化はまだまだ進む

衰退する米百貨店業態の実態

上記リンク先の動画にてアメリカの百貨店衰退の様子が報じられていて、その原因としてAmazonに代表されるようなECの台頭と、ディスカウントストアの存在が挙げられています。


アマゾンドットコムの売上推移などをグラフ化してみる (ガベージニュースより)

 

Amazonの2016年における北米の売上は903億ドル(約10兆円)。ファッション関連の売上は公表していないようですが、予測では1/4程度ではないかとも言われております。
一方、ディスカウントストアですが、

米国オフプライスストア2強TJXとロスの2016年度決算、ともに増収増益

TJXの年間売上高は331億8400万ドル(1ドル100円換算で3兆3184億円)で前年同期比7%の増加。既存店売上高は5%増加、純利益は22億9820万ドルで前年比1%増。増収増益。

一方、オフプライスストア第2位のロスは、2016年の売上高が128億6676万ドルで前年比8%増加。既存店売上高は4%増、純利益は11億1765万ドルで10%の増加で絶好調。

とこちらも結構な売上をあげていて、北米の小売に影響を与えているようです。日本ではECとファストファッションは既にトレンドですが、アメリカでは更にそこにディスカウトストアも超巨大化しているという、小売業界にとって熾烈な環境。
日本においても、

・リユース市場の拡大(メルカリ・フリルなど)
・プチプラのECモール(SHOPLIST)
・フラッシュセールサイト(GILT・GLADDなど)

のように低価格路線は更に進んでいる様子。今やECモールで売上を伸ばしたいならクーポンを巻かないと厳しいと言われるくらいですし、クーポンなど無くとも、

http://zozo.jp/category/jacket-outerwear/tailored-jacket/?dord=32

上記リンク先のようにテーラードジャケットの最安値がなんと999円。ZOZO TOWNですらこのような状況です。セール時期という事もありますが、ECモールでのセールは常態化しています。SCと同様、プロパー時期などあって無いようなものです。

 

◯日本はまだまだ二極化の途中

以前、ロンドンの街並みを歩いていた時に感じたのですが、都心部の一等地にひしめき合っていたのはほとんどがファストファッションブランドで中価格帯ブランドはほとんど目にしません。百貨店に入っても、日本のような百貨店アパレルに該当する価格帯やイメージのものは無く、ハイブランドが中心。唯一街でよく見かけたのは「オールセインツ」くらいでしょうか。そんな状況と比較すると日本はまだまだ二極化していないと感じますし、逆を言えば二極化はもっと進むんではないかと。百貨店の衣料品が売れないと嘆いている今の状況はまだ序の口なんではないでしょうか。

 

◯ディスカウントストアは更に拡大する?


イオンモールが“地域創生”をテーマに新アウトレット建設 1号店は広島

イオンモールは、アウトレットを軸にエンターテインメント性や地域性を組み合わせ、地域経済の活性化を目指す“地域創生型商業施設”「ジ アウトレット(THE OUTLETS)」の建設プロジェクトを発表した。2018年春に広島にオープン予定の「ジ アウトレット ヒロシマ(THE OUTLETS HIROSHIMA)」を第1号店として本格的にスタートする。

アメリカでは拡大しているディスカウントストアですが、日本ではアウトレットが増加中。チェルシーや三井不動産が運営している郊外型のアウトレットはもちろん、上記のようにイオンモールまでもアウトレットに参入。三井不動産はと言いますとECモールに参入してきているのですが、

 

三井不動産がEC事業に参入、ららぽーとなどと連動した「アンドモール」がオープン

ZOZOTOWNに対抗!なんてメディアは持ち上げていますが、

 

&mall

 

実際、サイト上に踊るのはセールにクーポンの文字ばかり。商品もOFFプライスばかりで、結局はアウトレットがECになったような感じです。記事中にある「リアル施設の価値を高める」というのはどこの事なんでしょうか。
これ以外にもベイクルーズのアウトレット業態であり、アウトレットモールでしか見られなかった「B.C STOCK」が一部、都心の街中で見られたり。。以前にも増して、リアル・web共にアウトレットストアが盛り上がっている印象を受けます。
今既に「物が売れない」と嘆いている人たちは、今が最悪の状況などではなく、今後更に厳しい状況が訪れる事を想定しておいた方がいいでしょう。ファストとラグジュアリーの二極化、大手の寡占化、進む低価格志向。欧米の小売市場は決して対岸の火事ではなく、この状況はそのうち日本にも起こりうる事なんではないでしょうか。

 

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深地 雅也
WRITER

株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。 繊研新聞にてEC関連記事連載中。→ https://senken.co.jp/posts/fukaji01

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