
ブランド・ビジネス 2018-03-05
ZOZOUSEDの拡大について思う事
「ゾゾユーズド」にコメ兵、セカンドストリートが出店 日本最大級のリユースモールへ
スタートトゥデイ傘下のクラウンジュエルが運営する「ゾゾユーズド(ZOZOUSED)」に3月1日、「コメ兵」とゲオが運営する「セカンドストリート(2ND STREET)」の2社が出店した。これまで自社で買取・販売を行ってきた同社だが、これを機にECモールとしてのマーケットプレイス事業を開始する。2社とは在庫のデータ連携をすることで、売れた商品を「ゾゾユーズド」経由で発送する形をとる。
最近新しい施策を打っては話題を掻っ攫っているスタートトゥデイさん。「つけ払い」「送料自由」「ZOZO SUIT」「PB」「おまかせ定期便」「ZOZO販売員」などなど、プロモーションにもなりうるような事例ばかりですが、今回のゾゾユーズドのプラットフォーム拡大は一番手堅い効果を発揮するのでは?と思っております。
◯SKU数が多い事のメリット
モールにおける強みはそのリーチ力ですが、これを担保するのに重要な指標としてSKU数があります。当たり前の話ですが、商品点数が多ければ多いほどユーザーにとって訪問する理由にもなりますし、検索でも引っかかりやすくなる。サイトとして強化もされますから、上位表示もされやすい。AmazonにIKEAやナイキが出店し、Amazon自体がプラットフォームとしての地位を強固なものにしているように、ゾゾユーズドはリユース市場における巨人であるコメ兵やゲオに出店してもらう事でプラットフォーム拡大を実現しようとしています。拡大するリユース市場において、この領域のプラットフォーム拡大は手堅く理にかなっていると言えるでしょう。以前にも軽く触れましたがEC売上は、
売上=取り扱い高×テイクレート
※テイクレート…取り扱い高における売上のパーセンテージ。
上記のような計算式で成り立ちます。取り扱い高が増えれば増えるほど売上拡大が見込めますので、大手と組むメリットは山ほどあるのです。
◯出店側であるコメ兵の取り組み
今回、ゾゾユーズド参入を決めたコメ兵ですが、最近非常に精力的な動きを見せています。
コメ兵、ヤフオク!内のリユース品を店舗で確認できる「お取り寄せサービス」開始
コメ兵、自社ECサイトで決済サービス「Amazon Pay」導入
ヤフオクに出品している商品を店頭に取り寄せできるサービスからAmazonペイの導入、そして今回のゾゾユーズドとの取り組み。様々なプラットフォームと組む事で、認知拡大と売上の最大化を図っているように見えます。昨今、モールの高い料率やクーポンの連発が問題になっていて、「モール離れ」を検討する事業者も見られる中、逆にモールを利用して自社のプレゼンスを高め、売上拡大を狙う。この戦略が吉と出るか凶と出るかは非常に注目したいところです。ヤフオクの事例のように自社の店舗に誘導し、ユーザーのリストを獲得できる可能性があるなら非常に効果的でしょう。
ZOZO SUITやおまかせ定期便のようにキャッチーでプロモーション効果が期待できるような取り組みとは違いますが、成長するリユース市場においてプラットフォームを拡大する事は確実に効果が見込める一手だと思います。(ていうかZOZO SUITこそリユース市場におけるレコメンド機能に最も活用できそう。。)また出店側であるコメ兵の動きも面白く、全体のEC売上をいかに最大化するか。料率やクーポン、広告費などの兼ね合いもありますから、モールのみで利益を潤沢に生み出す事は難しい事ではありますが、ここからどう自社ECの比重を伸ばしていくかが非常に楽しみです。
note記事はこちらです。

WRITER
深地 雅也
株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。 繊研新聞にてEC関連記事連載中。→ https://senken.co.jp/posts/fukaji01
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